そして帰ってきた言葉は....





「遠い所」





(いやいや、分かんねぇよ!しかも遠いって、)



俺は遠い所といえば何処なのか考えてみる。

遠い所といえばやはり、あそこだろう!





「へぇー遠い所ねぇ。蝦夷くらいか」





蝦夷という地名に、女はうんうんと頷いた。


まぐれか?それとも...



(それにしても、珍しい着物を身に付けている、異国のものか....魅力的ではあるが、少しなぁ。)




「何よ」







「いや、ここらへんじゃ見かけない着物だと思ってな、しかもそんなに足を見せて男どもにかまって欲しいのかと」




(しかも、何だあとヒラヒラした折り目のついた生地は。何で出来ているのか、気になるな)

そう思った俺は、そのヒラヒラに手を伸ばした。





「そんなんじゃないっっ......」



ーーーーぺらっ