*春*
毎日暑苦しいくらい語るこの担任…。
早くクラス替えになんないかなー。
「以上!今日も元気良く頑張ろうな!」
担任が教室から出ていき、パラパラと人が立ち、少し賑やかな教室。
「ねー!はーるっ!蒼様見に行こー?」
「ん?うん。行こっか。」
珠莉に促されるまま、教室から出てA組へ向かうと、既に人だかりが出来ていた。
「え…。毎日こんなんなの?ここ。」
「そーだよー。あたしたまにしか来ないけど毎日凄いんだから!」
と、熱弁しだした珠莉。
「あっ。帝様!」
彩華が頬を赤らめぼーっと眺めていた。
「ほんと、女の子だね、彩華は。」
笑いながら珠莉が言った。
「いいじゃん。かっこいいんだもん。顔だけじゃなくて性格も。」
彩華はほんとに可愛い。眺めてるだけで照れたりとか…。あたしは、きっと…、もう、ないかもしれない…。