なぜか3人で帰る方向に。


「なんで、皐も居るの」

 
 敵意むき出しの霞壬。


「家が真正面なの。道が同じでもおかしくないでしょ」


 私はお気に入りの本を読みながら答える。


 ふーん、と返したのであまり興味がないのだろう。 興味がないなら話しかけんな。


 速水は物凄く不機嫌で。霞壬の返事に あぁ、うん。という曖昧な相槌しか打たない。


 家が近くなったのでわかれる。


 霞壬は最後まで物凄く顔で私をにらんでたけど。


「私・・・さ」


 思い切って言ってみようと思った。


「?」


「明日・・・一日だけもう1回、走ろうと思う。長距離だし」


 長距離は凄く得意だった。


 だってさっき言ったじゃんか。


『俺はお前の走ってる姿、綺麗だと思ってみてたよ』なんていわれたらもう1回だけ走ってみる気になるではないか。


「がんばれよ」


 そういって目を細める。


 昔から変わってない癖。


 本当に頑張って欲しいときとか、勇気を出してえらいとか言うときは絶対に目を細めてw洗う癖がある。


「・・・がんばってみるよ」


 そういって分かれた。


「オカエリー」

「ただいま」



「今、麟君と帰ってきたでしょ。麟君、かっこよくなったわよねー」


 お母さんや、いまや私はお母様に重大なことを言うのだからそんな話はあとにしてくれ。