「無理って決め付けないほうがいいんじゃねぇの?何があったかしらねぇけど・・・」


 もう、鍵を返す時間らしい。廊下を歩きながら速水は言う。


「俺はお前の走ってる姿、綺麗だと思ってみてたよ」


 そういって職員室に鍵を返す。私はただ突っ立ってるだけ。


 ・・・・・綺麗・・・か。


 中学校のときより長くなった茶髪系に入る自分の髪の毛をすう。


 ・・・・今はセミロングになるほど長くなった。


 切れないのは、走りたいと思わないからと・・・とある男子にまだ、片思いをしているから。


「帰るか?家の方向、同じだろ?」


「えっ!?・・・あ、うん」


 実は速水とは同じ家の方向でしかも真向かいという。


 イコール幼馴染だ。


 玄関まで歩く。下駄箱の前で急に立ち止まった速水。


「どうし・・・・・霞壬」


 下駄箱には頬ピンクに染め、茶色の髪の毛はウエーブをかけていて、目はくりくりで、とても女の子らしい。


「!麟・・・・あ、皐」


 あ・・・って私はついでかよ。


 とうの彼氏の速水は・・・・物凄くいやぁ~な顔を向けている。