その答えを聞いた瞬間にわたしは部屋から出て玄関のドアを開けると走り出した。



優……悠真の大切な彼女の名前。


いつの間に……そう思ったけど悠真についての知らないことは沢山あるから、わたしが知らなくて当たり前。


あぁ、でも……わたしは誰にも、大切にされてなかったんだ。


誰かに助けてもらえるような存在でも、必要とされるような存在でもなかった。


本当は期待してた、悠真にとってわたしは特別な存在なんじゃないかって。


でも違った。悠真は優しいから……だからわたしに構ってくれてただけだった。


わたし、他人に迷惑かけてばっかり。本当に、わたしは木下たちが言うように存在自体が生まれつきウザいのかもしれない。

存在がいらないのかもしれない。



わたしの生きる意味なんてないし、考えたくもない。


そんなの考えたって現実はどうにもならないんだから。


もう死んでしまえ。


生きてても良いことなんて一つもないし辛いだけ。それなら楽になった方がマシでしょ。



「春……‼︎待て春‼︎」

悠真から追いかけられてるのは、分かっていたけれどわたしは必死に逃げた。