悪い部分があるのならそこを直します何でもしますから……死んでもいいですから。



わたしはどうすれば良かったのかだけでも、せめて教えて下さい。



「何やってんだよお前ら‼︎」

一瞬の隙を見て緩んだマフラーをギュッと手で掴んだ。


「……ごほっ」


喉にある異物を出すかのように咳をしたわたしは、朦朧とする意識の中、声をした方に目をやった。


そこにいたのは尚だった。



「春‼︎大丈夫か⁉︎……首…が」

「いや……何でもない」


木下たちは尚を見ると、厄介なやつが来たと重たそうなリュックを揺らしながら必死に走っていった。


もうすぐであんたたちは殺人犯になるところだったんだよ?尚が来て良かったね。

そんな思ってもないことを心の中で、彼女たちの背中にぶつけた。



「何で最近先帰るんだよ」


わたしが落ち着くと、尚は怒ったような口調でわたしの目をしっかり見る。


何故かその真っ直ぐな目を見返すことが出来なくて、わたしは目をそらしながら答えた。



「だって……尚が笑と話してるから」


「は?確かに話してはいるけど、俺と笑はそんな付き合ってる訳じゃないし、別に気にしなくて……って春?」