マフラーを締めた木下の周りで笑うあんたたちの方がムカつくし、うざい。

それにわたしは何もしてないのに、自業自得って日本語の使い方が可笑しいんじゃないかと思う。


「ねっもう一回見たい」


悪魔のような高い声がわたしの耳をすり抜けていった。

もう一回?



「流石にやばいでしょ」

木下は引きつった顔。


ここまでしといて、情けとかわたしにかけるんだ。

こいつらにとってのやばいとやばくないの境界線が謎だ。


もう……どうにでもなれ。


わたしが死んだら、こいつらだって自分たちの罪に気付く。それなら気付かせてやった方がいいんじゃないか。

そして後悔すればいい。



「やれば?」



そう言ったことをわたしは、後悔はしていない。間違ったこともしていない。


でも死んだら、とか。死にたい、とか。

「あぁっ……うっ……」


思ってはいても身体はまだ死にたくないと生きたいともがいて、マフラーを少しでも緩めようと手を挟み込む。


あぁ……わたしの何が悪かったの?

ねぇ、神様。わたしは何か悪いことをしましたか?