何をしてもそつなく熟し、その知的能力は知性の範疇全てに属し、相当していた。
両親はその知能検査がきっかけで、将来立派な財産家になるようにと、褒め殺す程に掛葉を可愛がる。
財産家って一体何?!
それは婉曲な私への毒舌にも聞こえる。
いくら双子の姉妹と言っても、これでは比べる対象があまりに間違っている!
良い事なら事実だけを受け止めて疑問は感じないのだろうか?
私にとっては何一つ良い事はない!
私は…
私は歳の離れた本当の妹だと思えた掛葉が大好きだったのに…
そして私は自分を見失い始めた。
掛葉との間に少しずつ仲違いが生じていく。