本当にとても仲が良かった。


いや、異常な程に仲が良くなり過ぎたのだろう。


この頃から薄々感じ始めていた。


私達は姉妹という枠を完全にはみ出そうとしている事に。


掛葉は朝から晩まで所構わず、いつもベタベタと私に纏わり付くようになった。


世間にはこんな姉妹もざらにいるのだろうか?


何をするにも何処に行くにも側に掛葉がいる状態。


例えば親のお使いについて来たがるのは十分わかる。

が、何故トイレにまでついて来たがるのか?


そしてまた逆に何故それについていかなければならないのか?


こんなのは面倒だとかそういう問題だけではない!


家だけなら未だしもこれを傍目のある学校でやられるのはかなり厳しいと思った。


だけどこの私達の現状で、私がそのあれこれを否定する事もまた難しかった。


そして私達の距離が更に縮まる事に比例するように、更に虐めは過酷化し、小6のあの頃まで私達は塗炭の苦しみに苛まれていた。


しかし、だからかも知れない。


互いの傷を癒やすように、私達の距離は更に縮まるばかり。


それからは今までとは比較にならない程に、色々な意味で退屈だと思える時間が減り、色々な意味で悩まされた。


掛葉は双子の姉妹というものを完全に勘違いしてしまっている。


本当に不思議な双子の妹だ…



しかしそんな私達は、ある事、そしてそのある事の私の勝手な思い込みが原因となり、共に歩いてきた道から外れ、中学を境にするように対照的な道を経るようになっていった。