生来、姉妹喧嘩なんてした記憶がない。


例え私の記憶力が人並みより一段と悪かったとしても、そんな記憶が全くないという事は、ずっと仲良くやってきたのだろう。


そして、喧嘩になりそうになると何故かいつも必ず掛葉が先に身を引いていた。


その記憶がずっと昔のいつからか私の頭に染み付いており、いつしか私自身も身を引く事を覚え、それからはいつも互いに譲り合いばかりになっていった。


いつもほんの些細な事だけど、自分の事よりも相手の事を想ってしまう気持ち。


掛葉のお蔭で私はそれを相手の為だと思うのではなく、


それが自分の幸せで


“自分の為”だと感じれるようになった。


勿論、


“強い絆”のある私達だからのこそ、そう感じれるのだろう。


今まで私が掛葉に教えてきた事なんかより全然大事な事を私は掛葉から教わった。


この事に関してだけ言えば、掛葉のがずっと姉らしかった。



悪魔でこの事に関してだけは!