ある雨の降る学校の帰り道の事。
私は突然五人くらいの女子に囲まれ、水溜まりに押し倒された。
びしゃびしゃになって起き上がると私の周りには誰の姿も見えなかった。
初めての事でも既に理解は出来ていた。
女の虐めは陰険…
そして私は虐められっ子、そしてお姉ちゃんも…
きっとお母さんが心配する。
だから私は笑いながら水溜まりで転んだと適当な嘘を言った。
元々私はどじで鈍重だから。
しかしお姉ちゃんは酷く顔が雲っていた様子。
私を一番理解しているのはお姉ちゃんだから。
それは私も同様だったはず。
だから、今の私でもお姉ちゃんの前では初めから笑顔でいられた。
そしてお姉ちゃんの笑顔を見るのが嬉しかった。
だけど、
そのお姉ちゃんの顔は今の私に向けられたものでは無かった…