そしてもう一つの理由は、やはり今の私が昔と変わり過ぎてしまったからだろう。


金髪で見た目と雰囲気が少し変わった事もあるけど、そんなものは昔からの友達の京華だから私にとっても京華にとってもそれはそんな大した事ではない。


だけどそれ以外の内面的な部分では今の私はあの頃と大きく変わってしまった。


新しい環境で新しい友達ができ、今の私は私を新しい自分としてその新しい日々を楽しく生きている。


最初の頃は、例え虐められたままだったとしても、掛葉があんな風になりさえしなければ昔は昔で良かったと思っていた。


いや、寧ろそっちのがずっと良いと思えた。


だけどそれはあいつ等に出会うまでで、今私はあの頃よりもずっと楽しい日々を送っていると思っている。


それはつまり掛葉よりも今の友達を選んだと言う事。


それだけならまだ全然いい。


でも今の掛葉との距離を考えると、それは新しい友達が出来たから過去の掛葉でさえも必要なくなったという事で、それは無論、過去の掛葉を犠牲にしたに等しい。


だから例え過去に戻れたとしても今はもうそんな事は思わない。


ならばこんな事が決して良くない事くらい誰もが簡単にわかるだろう。


幸せは何かを犠牲にしてまで掴むものではない。


だから京華にこの事を言ったらもきっと京華も同じ事を言うはず!


虐めがなくなったのはいい事だけど、やっぱ今の私と掛葉がこんなんじゃ…


だからその事を考えたら何だか京華に申し訳なくて、私の方が京華に酷く遠慮してしまった…


京華に会えた事は勿論嬉しい。


上手く言葉と体で表せないだけで多分それはこの二年間の出来事で一番。


だけど二年振りだっていうのに私がこんなんじゃそれこそ京華に悪い気がする。


でも…


こんな私が素直に喜んでしまってもいいものだろうか…



そして私達は京華の家に着いた。