それでも私は今は今で、新しい日常に十分に充実した日々を送っていただろう。


しかし、私はそれだけでは満足できなかった。


【新しい自分】が欲しい。


だけど新しい自分って一体何?


あれからも必死に考えてはみたけれど、未だによくわからない。


だからわからないなりに、私は中学早々、伸ばしてきた髪を思い切って金髪に染めた。


髪型一つで自分でも別人に思える程の見事な変貌振りだ。


でもただ髪を染めただけで他に何がどう変わったのか?


傍から見たらそう思われるかも知れない。


だけど今まで散々間違われてきた私達。


これでもう掛葉と間違われる事も完全に無くなる。


違う自分になれた気がして嬉しかった。


私の新しい自分はここからスタートするんだ!


そんな気持ちになれて、私にとって、ただそれだけの事だった…



なのに…