「ゆずなって3年生に仲良しな先輩いるよね?」
「リオさんの事?」
あたしは時計の方をチラリと見た。
あと2分程で授業が始まる。
「そうそう。スゴいキレイな人だよね。あの人ならいい男知らないかなー?」
ミユがこんなに男の話をするなんて初めてかも…
そんなのに男欲しいのかなー?
「わからないよ。リオさん彼氏いるし」
いつもならここで諦めるミユだけ今回はなかなか諦めてくれない。
「でも一回だけ聞いてみてくれない?」
いつになく真剣な眼差しをしている。
その眼差しからミユが新しい一歩を踏み出そうとしている事が伝わって来た。
せっかくだしダメ元で聞いてみるか。
「わかったよ。聞いてみるよ。もし無理だとしても怒んないでよ」
一応ミユに念を押しといた。
「大丈夫だよ。ありがとね。ゆずな」