「折角同じ好みの人に出会えたんだ。良ければ君の名前を教えてくれないかな?」

そしてアレンにそう尋ねました。
生まれつき左目が見えなかったせいで周りから気持ち悪い、不吉だと避けられていたアレンは、少年が自分と普通に話してくれることが嬉しくて、花の咲いたような笑顔を浮かべて答えました。

「アレンっていうんだ。君は?」

「ガブリエルだよ」

「ガブリエル」

アレンは今し方聞いた少年の名を呟きました。こうして家族以外の人の名を口にするのは久しぶりだったせいか、アレンはなんだか温かい気持ちになりました。