「おそい。20分遅刻。」
「ごめんてぇー!」
「許さない。」
「ハル様ぁぁぁ」
紅葉祭当日。
あたしは楽しみで起きる予定だった10時より2時間前には起きていた。
服は何を着よう。メイクはどうしよう。マニキュアも新しく塗り直そう。アイプチをしよう。つけまもしよう。それから、それから...
やりたい事が沢山あったのだ。
毎年、ハルと紅葉祭に行くと
春義君男前になったわね。あら、るーちゃん可愛い!りんご飴あげる!!
屋台の知り合いのおばさんやおじさんが褒めてくれた挙句オマケまでくれる。
ハルは「褒めるのがオマケね。りんご飴とかが主役。」と言うけど、やっぱりあたしはりんご飴がオマケだと思う。
とにかく準備してたらあれもしたいこれもしたいで、時間が過ぎちゃったわけ。
「ルナ。約束守れないなら俺これこらルナとはーーー」
「あら!るーちゃん可愛いっ!お化粧しちゃって~!もうそんなお年頃?」
「えへへ、もう受験生だよおばちゃん!」
「へえー、るーちゃんもう受験生かい!ほれ、焼きそば!あげるよ!」
「わあ!ありがとう、おじちゃん!」
「あー、そうだったそうだった!ほら、るーちゃんお小遣いよ!」
「わあ!おばちゃんありがとう!」
「はあ、ルナは...」
ハルがやれやれみたいなポーズをとって会話に入ってきた。
「食べた食べた~お腹いっぱい~」
「ルナの胃袋はどうなってんの。」
「え、ハルのと同じだよ」
「俺と一緒だったらもっと小さいはずだね。」
ハルの顔は整ってる。
鼻筋が通っていて、目が大きい。
大きいって言ってもプリ機みたいな大きさじゃない。程よい大きさってやつだ。
黒目が小さくて大人っぽい。
髪は染めないから黒い。
背はあたしより20cmも高い。
だから、甚平なんて着てたら女の子がキャーキャー寄って来てうるさい。
あたしは人が言うほど自分は可愛くないと思ってるから、メイクをする。
メイクをするとハルは不機嫌になる。
「ルナがケバい化粧するから男が寄ってくるんだよ。」
「あー!ケバいって言うか!?ハルなんて長身で...長身で...長身とか!」
「それ面白くないから。」
「冷たっ」
小学校のときの男子からのあたしへの評価はいい方だった。
髪はショートだったりロングだったりしたけど、そのときは確かセミロングくらいだった。
髪の色は昔は染めてなんてなかったからこげ茶色だった。
服装は気分次第だったけど、ふわふわの白い服を来てることが多かった気がする。
カチューシャを付けて、ニコニコ気分良く学校に行ってた。
もちろん男子に褒められるのは嬉しかった。
実際は男子だったからじゃなくて、誰かに褒めてもらえたのが嬉しかったのだけど、そこで気合を入れ始めたのがまずかった。
女子からのイジメ(あたしはあれをイジメだとは思っていないけど、世間的にはイジメって言うらしい。)にあった。
一緒に鬼ごっこしてたら砂かけられて白い服が茶色くなったり、掃除してたらちりとりの中身を頭からかけられたり。
ハルはその光景を見て激怒した。
「なんで、ルナは何も言わないの?バカなの?俺、許せないんだけど。」
でも、あたしはなんとも思わなかった。
ただオシャレするだけで褒めてもらえるのだ。
嬉しくて仕方なかったのだと思う。
だから、そんな小さなこと気にしてなかった。
今は茶髪ショートで、目と口だけメイクしている。
服は浴衣だ。紅葉の浴衣。
「ごめんてぇー!」
「許さない。」
「ハル様ぁぁぁ」
紅葉祭当日。
あたしは楽しみで起きる予定だった10時より2時間前には起きていた。
服は何を着よう。メイクはどうしよう。マニキュアも新しく塗り直そう。アイプチをしよう。つけまもしよう。それから、それから...
やりたい事が沢山あったのだ。
毎年、ハルと紅葉祭に行くと
春義君男前になったわね。あら、るーちゃん可愛い!りんご飴あげる!!
屋台の知り合いのおばさんやおじさんが褒めてくれた挙句オマケまでくれる。
ハルは「褒めるのがオマケね。りんご飴とかが主役。」と言うけど、やっぱりあたしはりんご飴がオマケだと思う。
とにかく準備してたらあれもしたいこれもしたいで、時間が過ぎちゃったわけ。
「ルナ。約束守れないなら俺これこらルナとはーーー」
「あら!るーちゃん可愛いっ!お化粧しちゃって~!もうそんなお年頃?」
「えへへ、もう受験生だよおばちゃん!」
「へえー、るーちゃんもう受験生かい!ほれ、焼きそば!あげるよ!」
「わあ!ありがとう、おじちゃん!」
「あー、そうだったそうだった!ほら、るーちゃんお小遣いよ!」
「わあ!おばちゃんありがとう!」
「はあ、ルナは...」
ハルがやれやれみたいなポーズをとって会話に入ってきた。
「食べた食べた~お腹いっぱい~」
「ルナの胃袋はどうなってんの。」
「え、ハルのと同じだよ」
「俺と一緒だったらもっと小さいはずだね。」
ハルの顔は整ってる。
鼻筋が通っていて、目が大きい。
大きいって言ってもプリ機みたいな大きさじゃない。程よい大きさってやつだ。
黒目が小さくて大人っぽい。
髪は染めないから黒い。
背はあたしより20cmも高い。
だから、甚平なんて着てたら女の子がキャーキャー寄って来てうるさい。
あたしは人が言うほど自分は可愛くないと思ってるから、メイクをする。
メイクをするとハルは不機嫌になる。
「ルナがケバい化粧するから男が寄ってくるんだよ。」
「あー!ケバいって言うか!?ハルなんて長身で...長身で...長身とか!」
「それ面白くないから。」
「冷たっ」
小学校のときの男子からのあたしへの評価はいい方だった。
髪はショートだったりロングだったりしたけど、そのときは確かセミロングくらいだった。
髪の色は昔は染めてなんてなかったからこげ茶色だった。
服装は気分次第だったけど、ふわふわの白い服を来てることが多かった気がする。
カチューシャを付けて、ニコニコ気分良く学校に行ってた。
もちろん男子に褒められるのは嬉しかった。
実際は男子だったからじゃなくて、誰かに褒めてもらえたのが嬉しかったのだけど、そこで気合を入れ始めたのがまずかった。
女子からのイジメ(あたしはあれをイジメだとは思っていないけど、世間的にはイジメって言うらしい。)にあった。
一緒に鬼ごっこしてたら砂かけられて白い服が茶色くなったり、掃除してたらちりとりの中身を頭からかけられたり。
ハルはその光景を見て激怒した。
「なんで、ルナは何も言わないの?バカなの?俺、許せないんだけど。」
でも、あたしはなんとも思わなかった。
ただオシャレするだけで褒めてもらえるのだ。
嬉しくて仕方なかったのだと思う。
だから、そんな小さなこと気にしてなかった。
今は茶髪ショートで、目と口だけメイクしている。
服は浴衣だ。紅葉の浴衣。