「何、歌う~?」

「これ!この新曲さ~」

俺は友達なんて言っても話に入れないからボッチなんだな。
ルナや稻葉が一緒だったら...

そんな事ばっかり考えて寂しくなる。

「るい?携帯鳴ってるよ?」

「え...?あ、本当だ...
ちょっと出てくる。」

「いってら~」

誰だろ...とか思いながらとっさに出た。

「はい?」

『あ、俺...ハル』

「えあ!?あ...うん。はい...あはは」

『ん?』

「いや、なんでもないよ」

『なんか様子おかしかったから、電話してみた...なんて言ったら笑う?』

「わ、笑わない!」

『そ、なら良かった。
...それで?何があったの』

「...実は、友達の彼氏さんを好きになっちゃったみたいで」

『そっか。』

「その人、優しくてさ俺なんかに声かけてくれるんだ」

『うん。』

「名前で...呼んでくれた」

『うん。』

「でも、友達の...親友の彼氏なんだ」

『うん。』

「俺が間に入ってゴチャゴチャになんてしたくない」

『そっか』

「ハル」

『なに』

「私どうしたらいい...苦しい」

『...』

「男なんてって、ずっと思ってた...でもね、ハルが私に優しくしてくれたり名前呼んでくれたり...声かけてくれたり...それが嬉しくて...苦しくて」

『俺はルナが好き。』

「うん」

『るいも好き。』

「その好きは...ルナとは違う好きだよね」

『友達として、大切』

「うん...」

『ルナ以外いらないと思ってた。
俺の世界はルナだけでいいって。
でも、るいに出会って考えが変わった。
こいつなら仲良くしたいって思えた。』

「何それ、めっちゃ嬉しいじゃんか」

『ありがとう。』

「ううん。こちらこそ」

「るーい!
電話長引く??」

「あ、えっと...」

『また明日な、るい』

「...うん。
今行く!待ってて!」

ルナが羨ましいな。
でも、大切な友達には...ルナはなれないでしょ。

俺だけの特権だ。

明日も学校に行くの、楽しみだな...