何を言っているんだろう。
先輩は何を言ってるんだろう。
それじゃまるで
先輩が
私を
好き
みたいじゃない。
あの、
高野先輩だよ。
あの高野総司先輩だよ。
先輩が、
私を?
有り得ない。
絶対に有り得ない。
偶然の重なりで私達は出会った。
あの日、あの時、あの場所に
私が居なかったら
先輩が来なかったら
私には絶対に
お近づきになれないような人で、
先輩と同じ時代に
私という人間が存在していることすら
先輩には知ってもらえないような
私はそんなチッポケな人間で、
住む世界が違う。
見てる景色も
見てきた景色も
違いすぎる。
あぁ、
そうか。
あれなのかな、
優しい先輩だから、
きっと
きっと
『憐れんでくれたんですか?』