『これなら
半分・半分。
対等です』
繋いだ手を
先輩の目の前まで持ってきて
見せる。
ニコッと笑ってみせると
先輩の手に力がこもった。
さっきよりも力強く
さっきよりも足早に
先輩は私の手を引く。
何処に行くのか、
この先に何があるのか、
全くわからないけど、
先輩に聞けるような雰囲気は
ただよってなくて、
ただただ引かれるままに着いていくと
駅前の歩道橋を三段ほど昇ると
先輩は私に言った。
『佐伯さん、
呪われて』
『はい?』
『だから
呪われて。
こんなはずじゃなかったんだけど、
やっぱ
手に入れたいんだよ。
優しくなんてしてやれない。
そんな余裕ない』