『佐伯さん、
好きです』
『どうしようもなく
好きです』
『俺を佐伯さんの傍に
誰よりも傍に
置いてくれませんか?』
十分です。
こんなにも
私の心は
全身は
先輩で溢れている。
溢れて、
溢れて
ぽたぽたぽたぽた
涙が止まらない。
『先輩、』
ーーー自分が特別だなんて思ってんの?
高野くんはね、誰にでも優しいの。
勘違いしてんじゃないわよ。
ーーーわかってます。
私は特別なんかじゃありません。
ーーーわかってる?
だったら高野くんの傍から
離れなさいよ。
目障りよ。
ーーー大丈夫です。
迷惑はかからないようにしてますから。
ーーーは?
あんた何言ってんの?
存在が迷惑だって言ってるのよ、私は
ーーーそれは
貴女が決めることじゃなくて
高野先輩が決めることです。
高野先輩が迷惑だって言うなら
その時考えます。
だから今は
ーーーあんた、ムカつく
どんなに嫌がらせをされても
私は私の気持ちを通してきた。
頑なに曲げず
誰にも負けず
必死に先輩との繋がりを守ってきた。
どうしてそんなに頑張れるの?
あんなに罵られて、
痛い思いまでさせられて、
どうして守るの?
繰り返される自問自答。
付きまとう劣等感。
それでも傍に居たかった。
特別なんかなくても
私と先輩だけのあの時を
失いたくなかったの。
『好きです』
『私も、好きです』
『手の届かない人だと思ってた』
溢れ出る涙で視界が霞む。
ぼやけた先に辛うじて見えるのは
先輩の歪んだ輪郭だけ。
だけど、私にはわかる。
先輩が今どんな顔をしているのか。
どんな瞳を私に向けてくれているのか。
きっと
穏やかで
温かくて
優しい
眼差し。
『佐伯さん、』
『高野先輩』
先輩は
強く
強く
私を抱き締めた。
end
好きです』
『どうしようもなく
好きです』
『俺を佐伯さんの傍に
誰よりも傍に
置いてくれませんか?』
十分です。
こんなにも
私の心は
全身は
先輩で溢れている。
溢れて、
溢れて
ぽたぽたぽたぽた
涙が止まらない。
『先輩、』
ーーー自分が特別だなんて思ってんの?
高野くんはね、誰にでも優しいの。
勘違いしてんじゃないわよ。
ーーーわかってます。
私は特別なんかじゃありません。
ーーーわかってる?
だったら高野くんの傍から
離れなさいよ。
目障りよ。
ーーー大丈夫です。
迷惑はかからないようにしてますから。
ーーーは?
あんた何言ってんの?
存在が迷惑だって言ってるのよ、私は
ーーーそれは
貴女が決めることじゃなくて
高野先輩が決めることです。
高野先輩が迷惑だって言うなら
その時考えます。
だから今は
ーーーあんた、ムカつく
どんなに嫌がらせをされても
私は私の気持ちを通してきた。
頑なに曲げず
誰にも負けず
必死に先輩との繋がりを守ってきた。
どうしてそんなに頑張れるの?
あんなに罵られて、
痛い思いまでさせられて、
どうして守るの?
繰り返される自問自答。
付きまとう劣等感。
それでも傍に居たかった。
特別なんかなくても
私と先輩だけのあの時を
失いたくなかったの。
『好きです』
『私も、好きです』
『手の届かない人だと思ってた』
溢れ出る涙で視界が霞む。
ぼやけた先に辛うじて見えるのは
先輩の歪んだ輪郭だけ。
だけど、私にはわかる。
先輩が今どんな顔をしているのか。
どんな瞳を私に向けてくれているのか。
きっと
穏やかで
温かくて
優しい
眼差し。
『佐伯さん、』
『高野先輩』
先輩は
強く
強く
私を抱き締めた。
end