でも、あの日の朝だけはちがった。

「 おっそいなー、海里。」

私はいつものように、

海里との待ち合わせ場所にいた。

(今日は遅いなあ。)

もう10分もすぎている。

カチッ…カチッ…。11…12…13…。

1分1分と時間がすぎてゆく。

もう30分もすぎてしまった。

早く学校に行かないとな。

そう思ってもなぜだか私は、

足が動かなかった…。

いや、動かしたくなかった。

海里を待っていたかったのだろう…。