帰り道。



2人並んで歩くその姿はまるで王子と王女のよう。
夜も遅く暗かったので人はあまりいなかった。
おかげで家まで見つからずにすんだみたい。


『結構おそくなったけど‥‥。勉強する?』

時計をみるともうすでに8時を回っていた。

『俺は大丈夫だけど、千聖は?』
『私も大丈夫。じゃあ2時間くらいしよっか』
『おう』


家に着くと、私の家も颯太の家もまだ灯りがついていて、中がやけに騒がしかった。

『なにかなぁ。』


ガチャッ と、レバーを前に引く。


すると、なんと私の家でパーティーをしていたのだ!
もちろん、颯太の家と一緒に。

『な、なんの騒ぎなの?』


『千聖、俺んち誰もいねーんだけど!』

『こ、こっちにいるよ‥‥。』


すると、いきなり私に人が突っ込んできた。
見ると私のお父さん、本条智(さとし)だった。


『ちょっどーしたのよ、お父さん!!っていうかどけー!』

グイグイ押すが、びくともしない。

『ちーちゃーん!!お母さんがいじめるんだよぉ!!』
おい、ちーちゃーんって誰よ。
お父さんいつも私の事『姫』って呼んでるじゃん!!