葵の口は、動いただけで声は出なかった。

目が閉じた。
手から力が抜けた。

抱えている体が、さっきよりも心なしか重く感じる。

俺「嘘だ...葵...そんな...」

俺は、葵を抱きしめて泣いた。

なんで伝えられなかったんだろう。
なんで伝えなかったんだろう。
後悔してもしきれなかった。

「おい!どうした!」

先生が駆けつけてきた。
サイレンの音が聞こえてきた。

俺のせいだ。俺が...

「そんなことないよ。」

きっと君はそう言ってくれるんだろうね。

急に目の前が真っ暗になった。