それから数日後のこと。

俺「葵、今日は、先帰ってていいから!」
葵「なんで?なんか仕事?」

俺は、駆け出しながら振り返る。

俺「いいや!別の用事!」

今日は、クラスメイトのやつに呼ばれていた。
体育館裏へ急ぐ。

5人はもう着いていた。
俺は、最近、何もされなくなっていたがために、平和ボケし、警戒心が薄れていた。

俺「お待たせ!」

息を切らしながら言った。

「おいお前、調子のってんじゃねーぞ。」
「日向が味方してくれてるからってよ。ちょっとは自分の立場、わきまえろや。」
「なぁ!!」
腹を蹴られた。

俺「うっ...」

久々に感じた痛み。そうか。自分だけが変わった気でいただけで、本当は何も変わっていなかったんだ。葵がいなければ、何もできない。

暴力は続く。

今までは、このまま、何もしてなかったんだっけ。
その方が楽だよな。

「優磨!」

ふと、頭を葵の声がよぎる。
俺は、何を諦めようとしてるんだ。
このままじゃ、本当に何も変えられないままだ。
そんなのダメに決まってる。
俺は変わるんだ。
変わった姿を葵に見せてやる!
それが俺にできる、一番の恩返しだと思った。

俺「やめろ...!」
「あ?なめたこと言ってんじゃねーぞ!」
「そっち、押さえておけ」

このままじゃ...!

とっさに足が動いた。