ううっ、近い…!

近過ぎる…!

「あれ?

初めてだった?」

上野さんがイジワルをするように言った。

「は、初めてなんかじゃ…」

洗い物をしている手を動かして、現実逃避を図る。

「初めてなんじゃん。

心臓がすっげードキドキ言ってるよ?」

「きゃっ!」

上野さんの手があたしの胸をさわったのと同時に、お皿を落としそうになった。

が、何とか持ちこたえた。

えらいぞ、あたし。

あたしはまた皿洗いと言う名の現実逃避を図った。