箸でピーマンの肉詰めをつまむと、上野さんは嫌そうな顔をした。

そんな顔されると、何かムカつくなあ…。

あたしが向けている視線に気づいたのか、上野さんは慌てたようにピーマンの肉詰めをかじった。

「…んっ?」

口をモゴモゴと動かした後、
「美味しい…」

上野さんは驚いたと言うように呟いた。

苦手だと言っていたわりには、ちゃんと食べれたじゃないの。

「いや、ノゾミちゃんが作ったから食べれたんだよ」

あたしの頭の中を読んだと言うように、上野さんが言った。

「えっ?」

あたしが作ったから食べれた?

「さくらさんか麻子が同じもの作ったら食べなかったよ」

上野さんはそう返した後、ピーマンの肉詰めを口に放り込んだ。