「ああ、いらっしゃい」

こもったような声が返ってきた。

店の奥の方にいるのかと思ったら、目の前にいた。

黒髪の好青年な雰囲気が漂う男の人と黒髪を高い位置でポニーテールにしている背の高い女の人がいた。

夫婦なのかしら?

「よう、星ボン…と」

上野さんは気まずそうに2人から目をそらした。

んっ?

どうかしたのかしら?

と言うか、“星ボン”ってどっちのこと?

「女の子を連れて歩いてご来店なんて、一体何かしら?」

そう言って口を開いたのは、ポニーテールの女の人だった。