「ノゾミちゃん、行こう」

上野さんが言ったので、
「はい」

あたしは返事をした。


時間が夕暮れに差しかかった頃、あたしたちの両手はスーパーの袋でいっぱいだった。

「家で米食うの何年ぶりなんだろ?」

安部さんが楽しそうに言った。

「野菜も買ったし、アイスも買ったし…いかにもスーパーで買い物したって感じだな」

上野さんも楽しそうだ。

「と言うか、料理はノゾミちゃん1人で大丈夫?

俺も手伝おうか?」

あたしの顔を覗き込んで聞いてきた安部さんに、
「大丈夫です、1人でできます」

あたしは答えた。

と言うか、この2人に料理は任せられない。