駅前についた頃には、すっかり日がのぼっていた。

当たり前だ。

時間は8時をとっくに過ぎている。

通勤通学と忙しい人たちの間を通り抜けてついたところは、駅の隅に忘れ去られたように設置してあるコインロッカーだった。

33番と書かれたカギを色あせたジーンズのポケットから出すと、同じ番号のカギ穴に突っ込んだ。

カギを開けると、ロッカーから小さな黒いリュックサックを取り出した。

少ないけど、あたしの荷物である。

それを肩に背負うと、駅から去った。

まさか22と言う若さでホームレスになってしまうとはなあ…。

心の中で自嘲気味に呟いた後、あたしは人目を避けるように裏道へ入った。

裏道を出ると、
「――んっ?」

出たところに、店があった。