安部さんがテレビをつけたのと同時に、お昼の時間帯によく聞く曲が部屋に流れた。

…んっ?

お昼!?

「ああ、昼か」

画面の下辺りに表示されている時計を見て、安部さんが呟いた。

時計は12時32分だった。

「あーっ、すげー寝たな」

安部さんは笑いながら言った。

いやいやいやいや!

「笑い事じゃないですよ!」

テレビの前で座っている安部さんに向かって、あたしは叫んだ。

それ以前に店は何時から始まるかとか、営業時間とか、そう言うのを全く聞いていないことを思い出した。