「どうしてこんなことをしたんですか?」

美森さんは窃盗犯に質問した。

「食べ物限定で、しかも1つずつって言うのが全然訳わかんねーんだけど」

続けて言った安部さんに、
「お腹が空いていたので、つい…。

だけど、たくさん盗んだら皆さんの迷惑になるかなと思いまして…」

窃盗犯が呟くように答えた。

なるほどね。

あたしは首を縦に振ってうなずいた。

「ちなみにですけど…あなた、この町の住人ではありませんよね?

どこからきたんですか?」

さくらさんが窃盗犯に質問した。

言われてみれば、確かにこの町では見たことがない顔だった。