さて、中に戻らなければ。

そう思ってドアを開けようとした時、
「すみません」

後ろから誰かに声をかけられた。

「はい」

振り返って、あたしは絶句した。

そこに立っていたのは、おまわりさんだった。

マズい!

これは職務質問をされるかも知れない!

当たり前だ。

コスプレ姿の女がこんなところにいたら、おまわりさんがやってくるに決まってる!

「あっ、えーっと…これはその、今日はハロウィンで…」

格好を指差して説明しようとしたあたしに、
「初めまして。

私、今日から『ニコニコ横町』に配属になりました、伊地知翔(イジチカケル)と申します」

おまわりさんは自己紹介をした後、ペコリと頭を下げた。