あたしがいつでもここにいるから、あたしにいつでも好き勝手なことができるんじゃないの。

そう思ったけど、言わないでおくことにした。

最初は何が何だかわからなくて戸惑ったけど、今ではもうすっかりなれてしまっている。

何だろうな…。

これが愛されるっていうことなんだろうな、きっと。

あたしはそう思うと、心配をかけてしまった2人の好きにさせたのだった。


翌朝。

「看板出してきて」

「はーい」

看板とイーゼルを持って表へ出たとたんに、カシャッとシャッター音が聞こえた。