安部さん、人前ですってば!

星ボンさんもいますってば!

「安部くんだって抜け駆けしてんじゃん」

上野さんがそう言ったと思ったら、あたしの唇に自分の唇を落とした。

人前だってことを忘れないで!

「う、ウソですよね…?」

青い顔で震えている生形さんに、
「いや、これが本当だから」

安部さんが言った。

「ノゾミちゃんはさー、俺らのものなの。

俺らに愛されてるの。

だから、あんたみたいな乳臭いガキに独り占めされると困るんだよねー」

上野さんが生形さんに追い打ちをかけるように言った。