「何かもう、無理になってきましたよ。

2、3日…長くても1週間我慢しようかと思ったんですけど、あれじゃあ何日も続きそうです」

そう言ったあたしに、
「まだあの子、ノゾミちゃんのこと追ってるよ」

星ボンさんがチラチラと後ろを見ながら言った。

「しつこいなあ…」

あたしは毒づくように呟いた。

もはや、ストーカーとして警察に訴えた方がいいのではないかと思った。

看板代わりの黒板と「CLOSE」の札がかかっている『キャンディ・ハウス』の前で、
「すみません、今日もありがとうございました」

あたしは星ボンさんに頭を下げた。

カシャッ

シャッター音に視線を向けると、
「ウフフ、希望ちゃん♪」

カメラを片手に嬉しそうに手を振っている生形さんがいた。