星ボンさんはあたしの顔を覗き込むと、
「見てるだけで虫歯になりそうな子だね」

ささやくような声であたしに言った。

「そうですね」

あたしは星ボンさんの言葉に返事をした。

「また昨日みたいに一緒に逃げた方がいいかな?」

そう聞いてきた星ボンさんに、
「お願いします」

あたしは星ボンさんの腕を引っ張った。

「やっぱり、見にきてよかった」

星ボンさんが言った。

「えっ?」

あたしは聞き返した。

「またノゾミちゃんがあの子に絡まれているんじゃないかと思って、心配して見にきたんだ」

星ボンさんがあたしの質問に答えた。