ゴインッ!

その音と同時に、上野さんが床のうえに崩れ落ちた。

えっ、何が起こったの?

「お前、あれだけノゾミちゃんを独り占めすんなって言ったじゃねーか」

フライパンを片手に腕を組んで立っている安部さんがいた。

あの、そのフライパンは一体どこから…?

「イテテ、何すんだよ…。

って、安部くん!?」

上野さんが驚いたと言うように飛びあがった。

「俺以外の誰だと思ったんだよ。

って言うか、ノゾミちゃんに何してくれてるんだよ」

マンガだったら、安部さんの顔に怒りのマークがついているかも知れない。