「ここ!道おぼえた?」
「あ、うん、ありがとう!」
「じゃあ俺ら先行くわ。
職員室とかいかなきゃいけねーだろ?」
「あ、そうだった、またね!」
2人はそういって
あたしに手を振り返して
仲良さそうに歩いて行った。
職員室の前で深呼吸をする。
すーはーすーはー…。
よしっ
コンコン
「失礼します、
今日から瀧秀高校に
通わせていただく崎村です」
「あー、崎村さん。
内野先生ー」
「あ、はい!」
「崎村さん来たわよ、よろしくね」
「はい、わかりました!」
内野先生、とよばれた先生は
あたしの方へ向かって
それから手を差し出してきた。
…え?あく、しゅ…?
「内野先生っ、それはだめですよ~」
「え、あ、そうでしたっ」
あははは~と豊かに笑う先生。
たぶん新任なのかな?
まだわかそう、そして元気そう。
「崎村杏香さん、だよね?
俺は今日から崎村さんの担任の
内野といいます。
それじゃ教室いこっか」
先生にいわれてあたしは
先生のあとについていった。