『ハァ、ハァ、ハァ…』
結構走ったな…
疲れた。喉が焼けるように痛い
タカの家は一回だけ行ったことがある
…嘘。近くに来たことあるだけ
でも直接家には行ったことない
タカの家はだいたい駅二つ分の距離。
…………電車で行かなかったことに後悔してる自分もいる
でもタカは夕焼けを見せてくれた日、
この距離をすごいスビードで私の家まで来てくれた
だからなんとなく…行ける気がする。
タカに会える気がするんだよね
「君、大丈夫?」
『…へ?』
喋りかけてきたのは髪の長い綺麗な女性
まつげも長くて目も子猫のようなつぶらな瞳。
多分、男性の理想の想像図はこういう人なんだろうな…
「すっごい汗と息切れ。フラフラしてこない?」
…フラフラしてこないといえば嘘になる。
「ちゃんと水分補給してる?」
私は首をよこに降る。
「ちょっとまってね」
綺麗な女性は鞄の中で何かを探してるみたい
……私、急いでるんだけど
「はい。」
『え?』
「コンビニで水買うよ!ほら、それ貰って!」
女性がくれたのは500円玉。
お金を貰うのは、ちょっと申し訳ない気持ちになる
ていうか初対面の人から何かをもらう事が初めてでどう反応すればいいの?!
ていうか五百円って水を買うには高すぎませんか?!!
なんて思いながら私達へ近くにあったコンビニへ入った
「いらっしゃいませー」
「あれー?こっちゃんいないのー?」
「あ、中で揚げ物作ってます。読んできましょうか?」
「レジおわったらお願いしようかしら♪」