『バガじゃない…。』
「バガだよ。しょうがないな。バーカ。」
『……』
私はムッときて地面にしゃがみうつむいた
「………優」
「ごめんって」
黙って俯く私
「優、はいこれ。これあげるから許して?」
タカが差し出してきたのは
うすいピンクの包み紙。
『いちごあめ?』
「そう。のど飴じゃないけど。いる?」
『…いる。』
私はいちごあめを受け取り口にほりこむ
口に広がる甘いみるくの味に
ほのかに感じるいちごの味
その味は私の心臓をぎゅうっと締め付けた
この気持ち伝えたら楽になる?
…きっともっと辛い思いするよね
意味のわからない涙を抑えて
「え?」
これくらいは許してね
私はタカの服の袖を掴んで立ち上がる
「ふっ…」
『何で笑うのよ』
「許してくれてよかった」
『…うん』
気持ちを伝えれるタイミングが来るまで
その時は覚悟しててよね