また全君に目をやるとあたしの視界が滲んできた。あぁ、やばい。



「よっし、あたし帰る!みんなの一杯目はあたしの奢りね!」



一万円札をテーブルに置いて席を立とうとすると、紘ちゃんがあたしの腕を凄い力で掴んで。


「出たぁ。逃げようとしちゃって雪!朝まで付き合うから泣きな!店変えても良いから!」


「…とりあえず物凄く掴まれた腕が痛くて泣きそうなの」



あたしの言葉にみんなが笑い出して。
酔っ払い達が笑い出したら止まらなくて。
女子達の下品な笑い声が店中に響いて。


1人笑ってないあたしが恥ずかしくなって、みんなを店から引きずり出した。