透のお母さんはそう言うと、にっこりと微笑んだ。
「ああ、いいかも!ねえ、いい?透」
「え、うん」
透は未だに状況を飲み込めていないようだ。
そんな透を放って、あたしと透のお母さんは仲良く透の家に向かって歩いて行く……。
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「……はい、どうぞ」
透のお母さんはそう言いながらチョコクッキーを可愛らしいお皿に乗せて持ってきた。
本殿と繋がっているからか和風で豪華な家だけど、インテリアは洋風。
ちょっとそのことに驚いて周りを見渡していると、
「ふふっ、驚いたでしょう?私の趣味なの。神社の嫁になっても、これだけは譲れなくて」
「いや、素敵だなって思います。洋風なのに和風な家と合っていて、すごいです」
「分かるー?いやあ、女の子ってやっぱりいいわね。私も欲しかったわ」
透のお母さんが焼いてくれたチョコクッキーを頬張りながら微笑む。
「わあ、これ美味しい!」
「そう?ありがとう♪」
「……たく、女ってよく分かんねぇ」
あたしの隣に座っている透は心底不服そうに頬杖を突いているけど。