そんな会話をしながら、電車に乗る。


 二人、顔を見合わせて笑った。



 あたしの心は、黒い何かに覆われていく。




 センセイが向けてくれる笑顔は、


 あたしを、こんなにもドキドキさせる。

 あたしを、勘違いさせる。


 だから、大好きだけど、大嫌い。



 だって、その度に苦しくなるんだもん。

 辛いんだもん。


 その笑顔は、手に入らないから。




 こんな幸せな時間は、ただの夢。

 幸せな時間は、一瞬だから。


 だから、こんな時間要らないんだよ。

 叶わない夢を見させるくらいなら、初めからそんなもの欲しくないの。



 神様、それは神様のイタズラですか?

 それとも、同情してくれてるんですか?


 神様、変に優しくしないでよ。

 そんなことをするくらいなら、この気持ちを消して下さい。




 それに、センセイも意地悪だ。


 これから気持ちをリセットしないといけないのに、そんな笑顔を見せないでほしい。

 センセイ、あたしの気持ちを察してよ。