昨日、センセイの頭の中にあたしはいましたか?


 センセイ、あたしがサボったこと、覚えてくれてたんだね。

 嬉しいよ、それだけで。



 あたしさ、センセイが好きなんだよ。


 ねえ、あたしの気持ち、気付いてる?

 気づかないでね、絶対。





「あ、電車来た」


 センセイはそう言った。



 センセイ、あたしまた、池に行くことになりそうだよ。



「はぁ……朝から疲れた」


「え!?それ、あたしのせい?」


「おう」



 ごめんね、疲れさせちゃって。

 本当に、ごめんなさい。


 けど、これしか出来ないの。

 こういうことをすることでしか、貴方に恋してよかったって思えないの。


 貴方を独り占め、出来ないの。

 貴方にあたしを見てもらうには、これしかないの。


 ごめんね、センセイ。



「そう……。あたしのこと、ウザいんだ。キモいんだ。カバだとか思ってるんだ……」


「いや、そうじゃないし。ってか、カバってなんだよ」


「世界一怖い動物だよ」


「知ってるよ」