だから、いつも重たい気持ちでいっぱいの朝も、軽い気持ちの朝になってる。



 いつもみたいに歩くこの道を、

 朝の澄んだ空気も、


 好きだって思える。


 センセイと会う前は嬉しい気持ちでいっぱいだけど、今日はそれだけじゃない。

 もう一つ、温かい感情がいるんだ。






 駅のホームに着いた。



「あ、」


 やっぱりいる。

 いつもと同じところに、寝癖を作ってるあの人が。



「……よしっ」


 あたしは小さい声で気合を入れた。

 今日も、頑張ろう。


「とぉっ!」


 あたしは後ろから大ジャンプをして、センセイの頭にチョップを入れた。

 センセイ、朝はボケてるから、イタズラにすぐ引っ掛かるんだよね。



「った!また、お前かよ」


「おっはようございまーす!」



 わざと、作った笑顔で大きな挨拶をした。



「はぁ……朝から元気だなぁ」


 センセイは、そう言った。



 ……違うんだけどね。