「……なんだよ」


「だって、女の子嫌いなくせに……」



 くすくすとバカにしたように笑われ、少しイラつく。




「ばーか、お前は女じゃねぇ」


「はあ!?」



 叶恋は、そう言って怒った。



「……お前は仲間だから」



 そう言うと、叶恋は顔を赤くさせた。


「………あ、そ」

 なんて素っ気なく言ったのは、照れ隠しってことで。






 俺は走りながら、叶恋に問う。


「何処行こっか?」


「何処か……遠い所。ぜーんぶ忘れられるような!」



 忘れられる。

 忘れたい。


 その言葉を、俺らはよく言うんだ。


 だって、終わらせることは出来ないと知っているから。

 終わらせたくないと思ってるから。


 一度だけなかったようにしたいって思うからだ。