速水くんはあたしを真っ直ぐ見つめて言った。



 ……言えるわけない。


 あたしが俯いていると、速水くんが衝撃発言をする。



「ああ、また言っちゃった。……悪ぃ、やっと喋れたから……」


「え……?」


 驚いた。



 やっと喋れた?

 もしかして、ずっと喋りたかったの?

 あ、あたしと?




「あ、まただ。……はぁ、テンパり過ぎだな、俺。」


「ねぇ、どういうこと?」



 さっきから、話の意図が全然掴めない。



「……えっと、俺、女嫌いなわけ。」


 はぁ、とため息をついた後、速水くんは話し始めた。



「うん」


「だから、なんで泣いてるのかとか?本人に聞けなくてさ。ずーっと気になって、考えてたんだ。」



 へぇ……


 それって、あたしに興味を持ってくれてたってことだよね?

 ……ちょっと嬉しいかも?



「そしたら、見ちゃったんだよ。泉田とお前がいる所」


「え……」



 え、なに、これ?

 嘘、だよね……?


 でも、速水くんの顔は真剣で。




 …見られてたの?

 毎朝あたし達が一緒に学校に来てるところ。