「あ、いや、その……」


「あたし、恥ずかしい所見せてたんだね」


「ごめん、言うつもりはなくて……。ってか、まず気づかれるつもりもなくて」



 一生懸命気を使ってくれてる速水くん。

 悪いなとは思うけど、それ以上の恥ずかしさがあって。



「うん、分かってる。……まあ、あたしが泣いてる理由は分からないと思うからいいや」


「ごめん」



 そんな謝らなくてもなぁ。


 さっきの感動は何処へやら。



「大丈夫だよ」


「いや、そうじゃなくて。……俺、なんとなく知ってるから。泣いてる理由」


「…………嘘。」



 嘘だよね?

 ただの冗談……。



 …で、でも、こんな時に嘘なんてつかないよね。

 例えあたしが大丈夫だって言ったとしても、冗談なんて言わないもの。


 もしも速水くんの言うことが本当だとしたら、彼はなんで知ったんだろうか。



 あ、でもでも……

 本当は、速水くんのただの想像でしかないってパターンもあるから。


「でも、それはただの想像……」


「……かもな。だから、教えてくれない?俺、ずっと気になってたんだよ。毎日泣いてるからさ。」