『今度、話しかけたら?……じゃあ』


 ローファーを履いてから、一旦置いていた鞄を持った。



『そうね……いってらっしゃい』


『おー』



 玄関の所で見送る母に適当な返事をしながら、玄関のドアを開けた。




 あー、なんか引っ掛かるな。


 知ってる気がするんだよな、その女のこと。



 どこかで……。




『あ。』



 玄関のドアが完全に閉まった時、俺は思い出した。


『……掃除の時の女か?』



 え、まだあそこで泣いてんの?

 ってか、毎日来てんのかよ。




 ……なんか、気になるな。






 それから俺は、毎日池に行くようになった。


 そして、その女がどこから来てるのかも、知ってしまった。