……それから。


 あの日、透と喧嘩別れをしてしまった日から、もう1週間が経った。



 透とは全くと言っていいほど会っていない。

 池にも、一度も足を運んでいない。


 だからか、あたしの心は、もう限界だと嘆いていた。




 センセイと居ているとやっぱり辛い。

 でも、泣く場所がない。


 今は教室の中で泣いているけれど、それでもやっぱりスッキリしなくて。

 がんばろう!と吹っ切ることが出来ないんだ。


 泣いているのは同じ。

 でも、あの池じゃないから、気持ちが違う。

 やっぱり、あの池は何か特別なパワーでも持っているのだろうか。


 いや、そうじゃないのかもしれない。


 透、だ。

 透がいてくれたから。透が優しく慰めてくれていたから。

 だから、気持ちが軽くなっていたのかもしれない。


 今も、このどうしようもない悲しさを抱えながら、センセイと笑い合っている。





「センセイ、ネクタイ新しいー!」


「え?ああ、よく気付いたな」


 知ってるよ。

 センセイのこと、だから。